自覚していたオット

告げられた漫画喫茶まで迎えに行くと、スーツケースを持ったオットを発見した。車に乗り込んだ彼は想像していたよりもふつうで、鬱病と疑ったのは思い過ぎだったのかも?と思うほどだった。
帰宅し、ごはんを食べてお風呂に入り何事もなかったかのように就寝したオットを見ながら、朝になったらこれまでの朗らかなオットに戻っているかもと思っていた。
しかしその期待は見事に裏切られることになる。
次の日、オットはぜんぜん起きず、顔を合わせたのはもう日も暮れる頃だった。やっと起きて来たオットにネットで見つけた「鬱病診断シート」を差し出すと、オットは何も言わずに記入し始めた。・・・結果は中度の鬱病
「これさ、鬱病かどうか調べるやつなんだけど」とわたしが言うと、
「うん。そうだと思ったよ」と、意外な答えが返ってきた。聞くと、自分でもそうじゃないかと思い、一度精神科に足を運んだのだそうだ。
「で、どうだった?」
「予約してないと看てくれないって言われた」
なんじゃそら。
とにかく明日は病院に行こうね。そう言って、その日は終わった。会話はほとんどなかった。