頭をよぎった「鬱病」の二文字

「ほんとに出て行きやがった」。
というのがそのときの感想。

家に残された、わたしと新生児。
子どもが産まれたばかりのこの大変なときにこの仕打ち。いったいぜんたいなんなんだ。このときのわたしにはただただ怒りしかなく、そのままどこかでのたれ死ねとさえ思っていた。経験した人ならわかると思うが、新生児の世話はとにかくしんどい。しかもフリーランスのわたしは仕事量をセーブしないまま子どもを産んだので、仕事をしながら慣れない育児と、寝る間もないほど忙しかった。だから、そんなわたしを差し置いて仕事に行かないなんて信じられなかった。

なんだかもうどうでもよくなったので1日放置したものの、オットからの連絡はなく、さすがに心配になってきて2日目の夜に電話をかけてみた。が、どうやら電源を落としているらしく、つながらない。心配だから連絡くださいとメールを入れて、返ってきたのは翌日の昼。それからしばらくのメールのやり取りを経て、これはどうやらいつもと様子が違うぞと思ったわたしの頭に、ここで初めて「鬱病」の言葉がよぎった。